2011年04月05日

地球って思ったほど大きくないんだ・・・世界一周航海に学ぶ

2011年(平成23年)4月5日付 岩手日報朝刊より

片岡 佳哉(かたおか よしや)さん

「世界一周航海に学ぶ」

$JEGOの空を見上げて

かたおか・よしや
1953年盛岡市生まれ。東北大理学部卒。コンピューター関連会社を辞めてヨットによる世界一周に挑戦。帰国後は体験を著述し、自然との付き合い方を考察している。ヨット専門誌にも連載中。体験記は本人のホームページ<ヨット青海>http://aomi-sailing.comで。




地球って思ったほど大きくないんだ・・・。

帰国して最初の印象です。
小さなヨットで一周してみて、地球のサイズを実感できたんです。

<1981年、宮城県松島から全長7.5メートルの愛艇「青海(あおみ)」で単独世界周航海に出発。86年にはヨットによる日本人初の南極大陸到達を果たした。日本に戻ってきたのは90年だった>

日本を飛び出し、世界のあちこちでアルバイトで資金を稼ぎながら航海を続けました。スポンサーなんてないし、スポンサーがつくなんて本物の冒険じゃないってね。

で、長旅を終えて帰ったら、陸の上って、海とずいぶん違うんです。嵐が来ても建物の中にいればいい。空を見上げて明日の天気を予想する必要もないし、危険が迫ればテレビやラジオが教えてくれる。これって、当たり前のようだけど、自然の厳しさと闘いながら生きた原始人が見たら信じられないことですよ。

長い人類の歴史から考えると現代人の生活って過保護そのもの。だから本来の野性的な力がどんどん失われていく。

ヨットで何ヶ月も航海するとき、冷蔵庫もなくて食べ物はどう保存したか想像ができますか。いろいろ工夫したんです。卵や野菜はどうすれば長持ちするのか。古くなった食品はどう見分けるのか。そんな知識、原始人なら誰でも持っていたし、いや、つい祖父母の世代までは常識だったはずです。それなのに、多くの現代人は、ほとんど知らない。賞味期限のラベルだけが頼りって、どこかおかしい。

一人で海の上にいるときは、いつどんな危険が訪れるかわかりません。寝ているときも野生動物のように神経を張りつめています。わずかな音や光、時には臭いも関知して、危険が迫っていることを知るわけです。現代生活では必要ないけど、人間が失ってはならない能力でしょう。

世の中、危ないことはどんどん排除しますから、危険はどんなことか、わからなくなっています。自分の子供時代は、小刀で鉛筆を削ってけがをし、刃物の怖さを学んだ。幼い頃に山や海で怖い体験をして、自然を学ぶことが必要です。それがないと、大人になってから刃物の威力を知らずに事件を起こしたり、軽い気持ちで自然に入って遭難したりするのかもしれません。

<体験や想いを「自分の心の中にしまっておく手はない」と航海記を執筆。一度は出版社も決まりかけたが、文章で伝えることに限界を感じ、試行錯誤を続けている>

どこの出版社も興味を持ってくれませんが、今も書き続けています。人間と自然の関係なんて現代人は興味がないかもしれません。でも理解してくれる人がいるに違いないと信じているんです。

ヨットで地球を回る間、南極まで行ったりして、いろんな景色を見たんです。街の中で普通に暮らしていては絶対に体験できない景色をね。現代ではテレビに世界中の風景が映りますから地球を知っていると思いこんでいます。私も世界一周する前はそうでした。

でも、海の波でも南極の山々とか氷山でも、スケール感が全然違うんです。何にも替え難いのは、目、耳、肌、全身で感じるものがあったことです。もはや街の中には残っていない、地球本来の何かです。われわれの祖先は、それを感じながら生活していたのに違いない、その何かです。
posted by JEGO at 15:57| Comment(1) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
平成24年8月14日に附属中学校の21回生の集まりが
あります、A組の知り合いに連絡を入れてください。
Posted by 盛岡 同学年 大川 仁 at 2012年07月06日 21:34
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